カシノ~リズモア / Northern Rivers Rail 廃線跡 2015/11/29

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 今日から3日かけて、2004年に廃線となった標準軌、単線の "Northern Rivers Rail" に沿って走ることにします。正式線名と言う概念が無いようで、"The Casino to Murwillumbah rail line" とか "Murwillumbah Branch Line" と呼ばれていたようです。Casino(カシノ)、Murwillumbah(マーウィランバ)は地名。
 ノーザン・リバー・レール(Northern River Rail) は、ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW) のノース・コースト地方で最初の鉄道で、マーウィランバ駅 - バイロン・ベイ駅 (Byron Bay) - リズモア(Lismore)駅間が1894年に開業。1903年にカジノ駅まで延伸されました。  1910年には、カイオーグル(Kyogle)駅までの支線が延伸(これは、現在のブリスベン - シドニーを結ぶ幹線の一部)。1930年には、州境のクーガル・スパイラル(Cougal Spiral)が完成し、ブリスベンまでつながっています。
 まず現役のカシノ駅。1930年、North Coast Line開通時に開設されました。
 前方に見える右(東)への分岐が、廃止されたノーザン・リバー・レールです。
 できるだけ、路線に沿って進むことにします。
 North Coast Line開通前のカシノ駅(Old Casino駅)を目指しますが、ゴルフ場の中にあるようです。クラブハウスで尋ねると、「あっちだ」と言うので許可を得たと類推しゴルフ場を横断します。
 金網越しに見ていると、如何にも"鉄"な人が、入り口を教えてくれます。Old Casino駅は、1910年に Casino駅として開設、North Coast Line開通後も Old Casino駅として1986年まで運営されました。
 駅はちょっとした資料館になっており、"鉄"な人が、案内してくれました。日本のブルートレインに乗ったぜと言ってました。
 この日は日曜日で、ゴルフ場を周囲を回るミニレールを走らせていました。進められるままに乗車。ポイントもある本格的なもので、折り返しの North Casino駅にはオーストラリアを代表する優等列車 The Ghan のミニ機動車も停車していました。
 
 Old Casino駅を出て先に進みます。しばらくは路線に沿った道路がありますが、Bentley の鉄橋は有刺鉄線で近づけません。
 次の地点は PLEASE KEEP GATE CLOSED と書いてあるので、ちゃんと閉めて入ってみましょう。
 廃止を決めた際の議会報告書によると、「この線は、29の鉄鋼 steel橋と 169の木材 timber橋を持ち、timber橋は、NSW鉄道網の30%を占める」とあります。
 次から次に、味のある橋梁が視界に現れます。
 2004年まで列車が走っていたのは本当でしょうか。
 今日は、丁寧に鉄道跡をトレースする予定なので、次の町のリズモア Lismore で宿を探すことにしましょう。ところが、町が近づいたあたりで雲行きが怪しくなり、雹を伴う激しい雷雨に見舞われました。落雷は至近弾を含め50発以上。逃げ込んだ閉まった商店の庇に雹が叩きつけ、側溝が溢れだします。
 
 1時間近く足止めされ、嵐の後の街へ。宿は2軒断られ、3件目のモーテルで、リズモアの町が停電になっていることが分かりました。断られた2軒ともクローズと言ってたのは、停電で閉めたようです。実は、英語がさっぱり判ってないことが判明しました。
 気落ちしているモーテルの女主人を、夜までには復旧するだろうと励ましチェックイン。1時間ほどで復電しました。
 45.13km、3h54m